龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
はぁ~っ

気が重い


中途半端に知っている人っていうのが一番嫌。

全く知らない人の方が気が楽だ。


それにしても――


登校して来た生徒達が、明らかにこっちをチラチラと見ているのはなぜ?


「あのぉ……圭吾さん」


「ん? 何?」


「さっきから、すごく見られている気がするんですけど」


「ああ、僕が一緒だからだよ」

圭吾さんは事もなげに言う。

「先週、買い物に行った時もそうだったろ?」


そうだったの? 気がついていなかったわ


ああ、早く集団の中に埋没したい

わたし、やって行けるのかなぁ



< 31 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop