龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
二階まで来ると廊下の端で、

「この先が二年生の教室だよ」

と言われた。


「教室まで付き添ってほしい?」


わたしは急いで首を横に振った。


「だろうね」

圭吾さんは苦笑い。

「教室に行ったら、黒板のところに座席表が張ってあるはずだから」


「分かりました」

「席に着いたらメールして」

「はい。じゃ、行ってきます」


わたしは圭吾さんにペこりと頭を下げて、教室に向かった。

B組……B組……っと、あった

さりげない顔で、見知らぬ人達に『おはよう』と言いながら教室に入る。

圭吾さんが言った通り、黒板に座席表が張ってあって、数人の生徒が席を確かめていた。

わたしも見ようとすると、一人の女の子が『名前は?』と聞く。


「三田です」

「三田さんは――窓側の列のぉ……前から五番目」

「ありがとう」

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