龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「ええっ! マジで?」

黒板のところにいた女の子達が、駆け寄ってきた。

「先週、お買い物してたでしょ?」


う、うん


「うちのお母さんが見たって」

「噂、ホントだったんだ」

「同い年だったの? ビックリ!」


ちょっと待って!

どうなってるの?


「こら~、お前ら遊んでいないで座れ」

呑気な叱り方で先生が教室に入ってきた。先生は白髪混じりの髪の男の先生だ。

「おっ! 滝田(たきた)、またお前の担任か」


「小次郎ちゃん、よろしくね」

隣の席の女の子が先生に手を振る。


「あだ名で呼ぶな。佐々木先生と呼ばんか。相変わらず化粧濃いな。たまにはノーメイクで来てみろ」


他の生徒がどっと笑う。

隣に目をやると、滝田さんがピースサインをした。


何だか波瀾万丈の予感。

わたし、集団に埋没するのは無理みたい。




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