龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
あー 優雅さね

確かに、一番わたしに縁のない言葉だわ


「三田様もそれが一番心配で、奥様に預けられたのです」


「志鶴を預かっているのは、僕だぞ」

圭吾さんは顔をしかめた。


「屁理屈はお止め下さい。お父様のご意向が第一でございます。それに、お嫁に行かれる時に一番苦労するのは志鶴様なのですよ」


いや、そんなご大層な家には嫁に行かないし


圭吾さんはちょっと考え込んだ。


「いっそ嫁にやらないで、ずっとここに置いたらどうだ?」


圭吾さん、それもどうかと……


和子さんも少し考え込んでから

「それも悪くはございませんが」

と言った。


ええっ? それ、あり?


「まだ高校生だ。ずっとうちにいるなら、ゆっくりやっても間に合うだろう?」


「圭吾様がそうおっしゃるなら……」


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