龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
真昼の園に潜むもの

もう もう もう ムカつく!

ホントにホントに何なんだ、あの女はっ!


あんまり頭に来てすごい顔してたのか、出迎えてくれた和子さんの『お帰りなさいませ』という言葉が途中で止まった。


「志鶴様、どうかなさいましたか?」


「和子さんっ!」


「は…はい……」


「『とうりゅう』ってなんですか?」


「は? 闘龍でございますか? 闘う龍と書いて闘龍と呼びます。この地域の伝統的な競い事でございますよ」


「それだわ! それよ!」


勢い込んで詰め寄ると、和子さんが一歩二歩と後ずさりする。


「それどうやってやるの? わたしもやりたいっ!」


「まあ志鶴ちゃん、大きな声でどうしたの?」


居間のドアから貴子伯母様が顔を出した。


「お……お、伯母様、伯母様! 闘龍ってどうやるの?」

「落ち着いて、志鶴ちゃん。こちらへいらっしゃい。ばあや、ココアでも出してあげて」


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