龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「下級生で竜田川美月(たつたがわ みつき)って子」
1年A組のその子は人目を引く美少女で、いつも大勢の友達に囲まれている。
どういうわけか最初っからわたしに敵意むき出しで、会うたびに聞こえよがしにイヤミな事をチクチクと言ってくる。
「ああ、あの娘か」
「従妹だって言うんじゃないでしょうね」
「遠縁だよ。縁戚っていうとこかな」
またか。親戚じゃない人ってこの町にいるのかしら
「その子が闘龍の話をしてきて、あんまりにも当てこすりみたいな事を言うから頭にきちゃったの」
「それで闘龍をやろうと思ったのか」
「ええと……そうじゃなくてね」
「そうじゃない?」
「売り言葉に買い言葉で、闘龍くらいできるって、自分の龍くらい持ってるって言っちゃった」
圭吾さんは呆気にとられたような顔をした。
そうだよね、自分でも馬鹿だと思うもの
「そう言ったのか? 闘龍がどんなものか知らないのに?」
1年A組のその子は人目を引く美少女で、いつも大勢の友達に囲まれている。
どういうわけか最初っからわたしに敵意むき出しで、会うたびに聞こえよがしにイヤミな事をチクチクと言ってくる。
「ああ、あの娘か」
「従妹だって言うんじゃないでしょうね」
「遠縁だよ。縁戚っていうとこかな」
またか。親戚じゃない人ってこの町にいるのかしら
「その子が闘龍の話をしてきて、あんまりにも当てこすりみたいな事を言うから頭にきちゃったの」
「それで闘龍をやろうと思ったのか」
「ええと……そうじゃなくてね」
「そうじゃない?」
「売り言葉に買い言葉で、闘龍くらいできるって、自分の龍くらい持ってるって言っちゃった」
圭吾さんは呆気にとられたような顔をした。
そうだよね、自分でも馬鹿だと思うもの
「そう言ったのか? 闘龍がどんなものか知らないのに?」