龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
2
連れて行かれた先は、圭吾さんの住む三階だった。
私と彩名さんの部屋の前の廊下の突き当たりにドアがあって、そこから上の階に向かって細く急な階段が続いている。
階段の途中の壁には窓がなく、代わりに小さな明かりが手すり沿いに等間隔で並んでいた。
階段を上がりきってまたドアを開けると、そこは眩しいほどの日差しが差し込む広い部屋だった。
圭吾さんの横を突っ切って、黒い龍が開けっ放しの大きな窓から外に飛んで行った。
「おいで」
圭吾さんに手を引っ張られ、龍の後を追って窓からテラスに出る。
「志鶴、下をご覧」
テラスのフェンスに手をかけて下をのぞきこむと――
うわぁ!
そこはレンガの高い壁と岩山に囲まれた緑の庭。
色とりどりの花々が気ままに咲き乱れ、岩山からは細い水の流れが幾筋も滝になって流れ落ちていた。
木と花の間を縫うように龍たちが低く滑空していて、翼が日差しをはじいて光る。
私と彩名さんの部屋の前の廊下の突き当たりにドアがあって、そこから上の階に向かって細く急な階段が続いている。
階段の途中の壁には窓がなく、代わりに小さな明かりが手すり沿いに等間隔で並んでいた。
階段を上がりきってまたドアを開けると、そこは眩しいほどの日差しが差し込む広い部屋だった。
圭吾さんの横を突っ切って、黒い龍が開けっ放しの大きな窓から外に飛んで行った。
「おいで」
圭吾さんに手を引っ張られ、龍の後を追って窓からテラスに出る。
「志鶴、下をご覧」
テラスのフェンスに手をかけて下をのぞきこむと――
うわぁ!
そこはレンガの高い壁と岩山に囲まれた緑の庭。
色とりどりの花々が気ままに咲き乱れ、岩山からは細い水の流れが幾筋も滝になって流れ落ちていた。
木と花の間を縫うように龍たちが低く滑空していて、翼が日差しをはじいて光る。