龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「うげっ!」

思わず踏み潰されたカエルのような声をあげちゃった。


やばっ! お婆さんが渋い顔でこっちを見てる。


「あら、ごめんなさい。驚かせちゃったわね」

腕を組んできた人が言う。

わたしより少し年上だろうか、優しい笑顔のお姉さんだ。


「志鶴ちゃんね? 従姉の羽竜彩名よ。よろしくね」


「あ……はぁ、よろしくお願いします」


ああ、我ながら間の抜けた挨拶


「女の子は可愛いわね」

彩名さんはニッコリと笑って言った。

ふんわりといい匂い

やっぱ、香水とかつけてるのかなぁ


「彩名お嬢様」

お婆さんがますます顔をしかめて言う。

「三田様へのご挨拶が先かと」


「まあそうね。ごきげんよう、志郎おじ様。お久しぶりですわね」


「この度はお世話になります」


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