龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】

新しい生活にも慣れ、友達もできた。

ただ、右見ても左見ても羽竜の縁戚、姻戚だらけな気がする。

放課後、一緒にアイスクリームを食べに来たメンバーの中にも二人ほど。


「うちはおばあちゃんが羽竜家の人なの」


そう言ったのは、滝田美幸(たきた みゆき)。

ド派手なルックスで転校初日に、わたしの度胆を抜いた子だ。


「亜由美んちはもっと遠縁だったよね」


「親戚の集まりに出なくていいくらい遠いわ。ラッキーにも」

モデルみたいにスタイルのいい大野亜由美(おおの あゆみ)がクールに答える。


ははは ラッキーなんだ


「いいなぁ。おばあちゃんの法事の時大変だったよ。校長はいるわ、本家の大奥様はいるわ。ママは気絶しそうなくらい気張ってるわ――志鶴は大変ね」


「ん~確かにちょっと堅苦しいとこはあるけど……休みの日、お昼まで寝てられないしね」


そりゃそーだとみんながドッと笑う。

でも、こんなふうにしていられるのは嬉しい。

親父と二人っきりの時は家事に時間とられて遊べなかったもの

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