龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「うちらの親たち、あんたのこと羽竜家の嫁として連れて来られたと思ってるわよ」


はぁ? 何それ?


「ない! ホントないから! 圭吾さんはお兄さんみたいなもんだってば」

慌てて否定しているところに携帯着信。

「ああ、その圭吾さんだ」


みんな笑いながら『出なよ』と言う。

もう!


「志鶴です」


――志鶴? 今どこ?


「学校の近くのアイスクリーム屋さん。何かありました?」


――いや、いいんだ。ラインの上に見当たらないから、ちょっと焦った


「ラインって?」


「ここ、できたばかりだから『線』から外れてるのよ」

横から美幸が言う。


――今の誰?


「滝田美幸。友達です」


――ああ分かった。ちょっと代わってくれる?


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