龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
少ししてアイスクリームショップに現れた圭吾さんはチャコールグレーのスーツ姿。

お仕事で出かけた先から来たみたい。


「やあ、お嬢さま達、こんなところでパーティーだったんだね」

圭吾さんがそう言ってわたし達のところへ来た。

「まだ入るようなら、もう一個おごらせてもらうけど?」


「入ります! 全然だいじょうぶ!」


あんた達――今トリプルアイスやっつけたばかりでしょうが!

まだダブルいけるの?


「志鶴は?」


「え……じゃあクレープで」


ダメじゃん わたし


わたしたちが再びアイスにかぶりついている間に、圭吾さんはお店の人と何やら話し、店の奥へと入って行った。


「線引いちゃうんだ、うん……きっと」

と、チョコミントアイスをなめながら美幸が言う。


「圭吾さんが引くものなの?」

いまだに何の事か分からないけど、一応きいてみる。


「圭吾さんっていうより『羽竜の当主』がやるお仕事だよ。龍神様の子孫だから」

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