龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「誰もが両想いで付き合っている訳じゃない。 ある日突然告白されて、『付き合ってみようかな』と思ってカップルになる人もいるんじゃないかな?」


わたしはうなずいた。

友達がそんなふうに言うのを聞いた事がある。


「僕をそういう相手だと思ってみないかい? 僕が二人分君を好きだよ」


それならできそうな気がする。

でも、待って


「でもね、圭吾さんは結婚まで考えてるでしょ?」


「そうだね。僕はもう大人だから。さっきも言った通り急かすつもりはない。僕と付き合って三年後に答えを出せばいい」


穏やかな優しい人

わたしは何が不満なの?


「付き合うってどうするの?」

わたしはクリームブリュレを食べながらきいた。


「別に。今のままでいいんじゃないか? まあ、もう少し一緒に出かけてもいいかな」


それなら居心地はいい

いいけど、それでいいの?

何か忘れている気がするんだけど

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