龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「僕は父さんよりは丈夫だよ」
「そうだとしても、羽竜の仕事は激務ですもの。あなた一人で抱え込むのは無理よ。死んでしまうわ!」
死んでしまう?
何、それ?
わたしの手がドアノブから滑った。
カタッと小さな音が鳴った。
二人の声が急にしなくなって、わたしの目の前のドアがゆっくりと開いた。
「志鶴」
わたしは目を上げた。
圭吾さんが立っている。
「声が聞こえたから」
わたしは小さな声で言い訳をして、思わず数歩下がってしまった。
圭吾さんの表情が強張った。
「騒がしかったね。ゴメン」
圭吾さんの悔やむような口調に、泣きたくなった。
どうして後ろに下がってしまったの?
きっと、わたしが怖がってると思われた。
「そうだとしても、羽竜の仕事は激務ですもの。あなた一人で抱え込むのは無理よ。死んでしまうわ!」
死んでしまう?
何、それ?
わたしの手がドアノブから滑った。
カタッと小さな音が鳴った。
二人の声が急にしなくなって、わたしの目の前のドアがゆっくりと開いた。
「志鶴」
わたしは目を上げた。
圭吾さんが立っている。
「声が聞こえたから」
わたしは小さな声で言い訳をして、思わず数歩下がってしまった。
圭吾さんの表情が強張った。
「騒がしかったね。ゴメン」
圭吾さんの悔やむような口調に、泣きたくなった。
どうして後ろに下がってしまったの?
きっと、わたしが怖がってると思われた。