龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「彩名の夜食だよ。アトリエのキッチンにいつも置いてあるんだ」


待つこと3分、圭吾さんとカップ麺をすするというシュールな状況


――でも うまぁ


「今朝は僕の何が気にいらなかったの?」


う……いきなり来たか


「気が立ってただけ。圭吾さんがそこにいたから八つ当たりしたんだと思う」

「医者は新しい環境でストレスがたまってたんだろうって言ってたよ」

「そうかも」

「でも、引き金を引いたのは僕だね?」


違うってすぐに言えなかった。

圭吾さんの目が陰った。

どうしよう

傷つけた。絶対傷つけた。


「わたしね」


言わなきゃ

本当の気持ち言わなきゃ


「圭吾さんにわたしの事が必要だって思ってほしかったの」


< 91 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop