龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「ああ、あれね」
圭吾さんもニッと笑った。
「あれを読んだらズルはできないよな」
その日、テストの後で美幸がわたしを講堂に連れて行った。
「校訓ってあれよ」
美幸の指差す正面の壁には、学校の創始者の言葉が掲げられていた。
学生諸君へ
人はそれぞれに
天賦の才というものがある
それは
自らのために使う事も出来るし
或いは
他者を救うために使う事も出来る
持てる力をどのように使おうと
誰にも分かりはしない
ただ 諸君ら自身が
それを知っているだけである
よく学び
ひたすら励めよ
圭吾さんもニッと笑った。
「あれを読んだらズルはできないよな」
その日、テストの後で美幸がわたしを講堂に連れて行った。
「校訓ってあれよ」
美幸の指差す正面の壁には、学校の創始者の言葉が掲げられていた。
学生諸君へ
人はそれぞれに
天賦の才というものがある
それは
自らのために使う事も出来るし
或いは
他者を救うために使う事も出来る
持てる力をどのように使おうと
誰にも分かりはしない
ただ 諸君ら自身が
それを知っているだけである
よく学び
ひたすら励めよ