龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「ちゃんとご挨拶しなくていいの?」
「志鶴を控え所に置いたら戻ってするよ。みんな分かっているから大丈夫」
少し離れた所で、賑やかな笑い声がドッとわいた。
圭吾さんとそんなに年の変わらないような人達が、集まっておしゃべりをしている。
本当なら、圭吾さんだってあの中で気楽に笑っていたのかもしれない。
圭吾さんの大変さを初めて知った気がした。
「志鶴? どうした?」
「あ、ううん。楽しそうだなって思って」
「そうだね」
圭吾さんはわたしの視線の先を見て頷いた。
もう少し境内の奥まで行くと、イベント用の大きな仮設テントが三張りあった。
『龍師控所』と書かれた看板が一番手前のテント前に立っている。
受付で名前を書いて中に入ると、誰かが『圭吾』と呼ぶ。
圭吾さんは振り返って声をかけた人を見て――
わたしの手を握る圭吾さんの手に力が入った。
「やあ優月、久しぶり」
「志鶴を控え所に置いたら戻ってするよ。みんな分かっているから大丈夫」
少し離れた所で、賑やかな笑い声がドッとわいた。
圭吾さんとそんなに年の変わらないような人達が、集まっておしゃべりをしている。
本当なら、圭吾さんだってあの中で気楽に笑っていたのかもしれない。
圭吾さんの大変さを初めて知った気がした。
「志鶴? どうした?」
「あ、ううん。楽しそうだなって思って」
「そうだね」
圭吾さんはわたしの視線の先を見て頷いた。
もう少し境内の奥まで行くと、イベント用の大きな仮設テントが三張りあった。
『龍師控所』と書かれた看板が一番手前のテント前に立っている。
受付で名前を書いて中に入ると、誰かが『圭吾』と呼ぶ。
圭吾さんは振り返って声をかけた人を見て――
わたしの手を握る圭吾さんの手に力が入った。
「やあ優月、久しぶり」