龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】

優月さん?


ああ……圭吾さんの恋人だった人だ。


柔らかな巻髪のロングヘアーに、オフホワイトの細身のスーツを着たその人は、まるで祈りを捧げるように胸の前で指を組んでいた。


きっと綺麗な人だろうと想像していたけれど、優月さんの美しさはわたしの予想を遥かに超えていた。

それは彩名さんのようなふんわりとした優しい美しさではなく、冴え渡るような美しさだった。

すれ違った人が全員振り向くような。


こんな綺麗な人と圭吾さんは付き合っていたんだ。

そりゃあフラれたら落ち込むよね。

っていうか、こんな美人の後でなぜわたしみたいなのを選ぶ訳?

圭吾さんの気が知れないわ。


「あーら、三田先輩。今日も保護者同伴ですかぁ?」


間延びしたイヤミな言い方

――げっ! 竜田川美月!


「あんただって同伴じゃないの」


言い返すと


「うちは姉です」


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