龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
2
優月さん?
ああ……圭吾さんの恋人だった人だ。
柔らかな巻髪のロングヘアーに、オフホワイトの細身のスーツを着たその人は、まるで祈りを捧げるように胸の前で指を組んでいた。
きっと綺麗な人だろうと想像していたけれど、優月さんの美しさはわたしの予想を遥かに超えていた。
それは彩名さんのようなふんわりとした優しい美しさではなく、冴え渡るような美しさだった。
すれ違った人が全員振り向くような。
こんな綺麗な人と圭吾さんは付き合っていたんだ。
そりゃあフラれたら落ち込むよね。
っていうか、こんな美人の後でなぜわたしみたいなのを選ぶ訳?
圭吾さんの気が知れないわ。
「あーら、三田先輩。今日も保護者同伴ですかぁ?」
間延びしたイヤミな言い方
――げっ! 竜田川美月!
「あんただって同伴じゃないの」
言い返すと
「うちは姉です」
ああ……圭吾さんの恋人だった人だ。
柔らかな巻髪のロングヘアーに、オフホワイトの細身のスーツを着たその人は、まるで祈りを捧げるように胸の前で指を組んでいた。
きっと綺麗な人だろうと想像していたけれど、優月さんの美しさはわたしの予想を遥かに超えていた。
それは彩名さんのようなふんわりとした優しい美しさではなく、冴え渡るような美しさだった。
すれ違った人が全員振り向くような。
こんな綺麗な人と圭吾さんは付き合っていたんだ。
そりゃあフラれたら落ち込むよね。
っていうか、こんな美人の後でなぜわたしみたいなのを選ぶ訳?
圭吾さんの気が知れないわ。
「あーら、三田先輩。今日も保護者同伴ですかぁ?」
間延びしたイヤミな言い方
――げっ! 竜田川美月!
「あんただって同伴じゃないの」
言い返すと
「うちは姉です」