ごめんね、ユウくん
『俺ね、一回クラスメートを半殺しにしたことあるんだ』
わたしは息をのんだ。
『なんかさ、俺の親のこと馬鹿にされてさ』
きみが言った話はこうだ。
中学時代に、両親のことを侮辱されたてブチギレたきみはクラスメートにつかみかかった。
きみはその子の胸倉をつかみ、廊下へと出た。
そして、その子をボコボコに。きみの右手は血まみれに。
警察と救急車が来て、きみは警察に、その子は救急車に連れ込まれた。
警察に連れ込まれたものの、きみは少年法とかなんやらに守られ帰ってきた。
けど、帰ってきたきみには、他のクラスメートの不審者を見るような目、居場所のない我が家が待っていた。
『俺、親守ろうとしてあいつ半殺しにしたのに』
きみは笑いながらも、泣きそうな声をしていた。