ごめんね、ユウくん
きみと付き合って、きみのことをたくさん知った。
昔、クラスメートを半殺しにしたこと。
そのせいで親に嫌われたこと。
今は一人暮らしをしていること。
意外と甘いものが好きなこと。
白とか黒とかが好きなこと。
どれも他愛のないものだけど、わたしは知れたのが嬉しい。
わたしのこともいっぱい、きみに教えた。
甘いものは好きだけど、食べると具合が悪くなりやすいこと。
暗いところが恐くて、すぐ泣いちゃうこと。
パステルカラーが大好きなこと。
車に酔いやすいこと。
すぐ泣いちゃうことを言うと、きみはいつものように笑った。
馬鹿にしないでよ、と言いながらわたしが軽く叩く。
そして、すぐ笑う。
でも、でもね、わたしまだ、きみに言ってないことがあるの。