ごめんね、ユウくん
『そろそろ帰ろっか』
『そだね』
楽しい時間は、早く過ぎる。
きみと過ごす時間はいつもそうだ。
来たときと同じように手をつなぐ。
このまま、きみの家へ帰るはずだった。
『あっ!見て、サンタさん!』
わたしの視線の先には、サンタの格好をしたケーキ屋のお兄さん。
それを指差し、その方向へ向かおうとする。
そのときだった。
『智咲!危ない!』
きみの声と同じタイミングで、わたしは段差を踏み外し道路に落ちた。