ごめんね、ユウくん

くろいわたし



わたしはふと、思いついた。
それを思わず口にする。


『…ユウくんがこっちに来てくれないなら、わたしが行こっかな』


きみは相変わらず綺麗が顔で眠っている。


『…ユウくん、待ってて。すぐ行くから』


人工呼吸器を静かに外した。
そしてきみの細い首にわたしの手がのびる。


< 44 / 52 >

この作品をシェア

pagetop