ごめんね、ユウくん


わたしのベットの隣にある紙袋。
そこには柔らかい毛糸で編まれた白いポンチョ。
少し、きみの血がついていた。
…わたしを守ってくれた証拠。


それをゆっくり抱きしめる。
心なしか少し、きみのにおいがした。


そしてそれを着て、自分の病室を出る。


スリッパにはなかなか慣れない。
ペタペタを歩く度に音がなる。


その慣れないスリッパを履いて屋上を目指した。


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