ごめんね、ユウくん


目をつむって前に進む。
きみに天使みたいだと言ってもらえるように、両手を広げて。
きみに両手で受け止めてもらえるように、いつもどうりに。


きみに、また会えるんだ。


急に、足の置き場がなくなった。
ふわりと体が浮かんだ気がした。
全身に風を受け、そのまま急降下する。


一瞬のことだった。


『智咲』


どこかで、わたしを呼ぶ甘く優しい声がした。




fin.

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