Spring Letter 【短編】
「美波といると疲れる」手紙の最後に書かれていた文は、衝撃的な言葉だった…

千本の針が心に刺さった。

「なんで?美沙も私に不満を抱いていたの?私、疲れるの?なんで…なんで?」美沙の気持ちが全くわからない。

私は、必死に気持ちを押し殺していたのに…

美沙にもらった手紙をぐしゃぐしゃに握りしめて、ボソッとつぶやいた。
「あんたなんか、大嫌い…」
手紙をビリビリに破いてゴミ箱に捨てた。

私の心は、黒い絵の具で塗りつぶされた。
時間が経つにつれて濃さは増してゆく…


< 10 / 57 >

この作品をシェア

pagetop