Spring Letter 【短編】
でも、私があと三メートルぐらいに近づいた時、私の反対側から七人組の二年生の女子が翔君に近づいてきた。

私は、その場に立ち止まって様子を窺った。

案の定、彼女達は翔君を囲んで群がってしまった…
チョコをみんなが渡している…

チョコをもらって喜んでいる翔君…

胸の奥がズキズキした。ずっと見ていると悲しくなった。
今までの自信もどこかへ消えてしまった…

チョコを渡せないまま、ゆっくりと靴箱に戻った。

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