Spring Letter 【短編】
私たちは、歩幅を合わせて歩き、反省会らしきものを帰りながらした。

「今日は、二人とも恋という壁にぶつかりましたねぇ~。結果は駄目でしたけど、美波さんもやればできるじゃないですか?今までの美波さんは…チャレンジすらしなかったはずですよぉ~。先生は…それが一番嬉しかったですっ!」
美沙はなぜか先生口調だった。

私は、照れながら答えた。
「全部、美沙のおかげだよ」
「そう言ってもらえると光栄ですっ!でも、うちは誘っただけで渡すって決めたのは美波なんだから自分の力だよ」
美沙の顔は暗くて見えなかったけど、きっと美沙も照れていただろうな…

気持ちも伝えられず散ってしまった心の花。

でも、二人はまた一つ大人になった。

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