Spring Letter 【短編】
砂浜には『青春』という文字が刻まれていた。

私は、笑いながら言った。
「青春!冬の花火って青春っぽい!今までで一番青春ってかんじする」

「冬の花火って意外とよかった!前からやればよかったな…」

美沙の言葉をヒントに私はあることを思いついた。

「これから毎年、冬に花火しようよ!」

「いいねぇ!じゃぁ、うちからも提案なんだけどお互いに手紙書こうよ!」
美沙の提案に私は反論した。
「手紙毎日交換してるじゃん!」

美沙が提案に付け加えた。
「いや、いや、いや…その手紙は十八歳のうちに書くけど、渡すのはすぐじゃなくて、二十歳になったら渡すの!成人式の日に交換するってどう?」

「ナイスアイディ~ア!その話、のった!」

波音と砂浜に刻まれた『青春』という文字が私たちを見送った。

もう、戻ることのない時間。私たちが歩んできた道は、本当に正しかったのだろうか…

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