Spring Letter 【短編】
葬儀の日。

空は曇っていた…
私も冴えない顔をして、葬儀に向かった。

女子は、肩を寄せ合って泣いていた。
男子は、下を向いたまま…悲しんでいた。

私は、先生の隣で呆然と立ちすくんでいた。

………泣けなかった。

美沙の死を受け入れようとしない私がいたから。『美沙』と呼べば、平気な顔をして帰ってきそうだったから。

自分が憎くなるほど泣けなかったんだ…

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