北極星の約束
第一章
「鈴っ、今日駅前の新しい雑貨屋さん行こうよ!」
「いいよー、あたしもあそこ行きたかったんやぁ」
教室の端っこ、窓際の席で、
春の風を受けながら
彼女は友人の誘いを快く引き受けた。
彼女、野風鈴(のかぜ れい)は
地元の隣町の女子高に通う
、高校1年生。
髪は栗色でロング。
くせっ毛なせいで、少しウェーブがかかっているようだ。
瞳の色も、黒ではなく
髪と同じ栗色。
カナダ人の祖父と日本人の祖母の間に生まれた、
ハーフの母親。
どちらかと言うと、祖父の血が濃く出ているらしい。
その母親と、日本人の父親の間に生まれたのが、鈴だった。
そして彼女もまた、
母親の血を濃く受け継いでいるらしい。
そのため、周りとはかなり違う外見だが、
鈴がそのことを気にして口にしたことはなかった。