北極星の約束
「亜実、しっかりして!


みんないるわよ、亜実、生きて!」


意識が朦朧としている亜実に対し、


母親は涙目になりながら言った。




父親も、ベッドの反対側で、

亜実の手を握っている。



鈴は、何が起きているのか分からなかった。





約30分後。


ピーという機械音が、亜実の死を知らせた。




「残念ですが、
6月18日午後4時32分、ご臨終です」


亜実の担当医が静かに言った。




母親が大きく泣き崩れ、

父親がうずくまり、必死に涙を耐えようとしているのを見ていた鈴は、



誰も気付かないくらい、静かに





涙を流した。



幼いながらにも、





最愛の姉の死を

悟った瞬間だった。

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