北極星の約束
亜実の通夜のときも、お葬式のときも、



両親はずっとうつろな目をしていた。




鈴は祖父母に付き添われ、

お葬式に参列した。




長方形の箱に入り、

綺麗にされている姉の顔を見た鈴は言った。




「お姉ちゃん、なんでこんなところで寝とるの?

起きて一緒に遊ぼうよ!」



もちろん亜実からの返事はない。

その代わり、祖母が答えた。




「鈴ちゃん、お姉ちゃんはね…

天国に行ってしまったんよ」



「天国?どうして?


お姉ちゃんが行くなら、鈴も行く!」



そう言って鈴は棺の中に入ろうとした。



「だめよ、鈴ちゃん!

あなたは行ってはいけないのよ」

祖母は鈴を抱きかかえ、



「ほら、お姉ちゃんの綺麗な姿、



鈴ちゃん、この先もずっと覚えといてあげてね」


と鈴をあやし、



「うん」

と鈴がうなずくのを確認すると、



棺を離れた。

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