暴走族の秘密の姫君
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「伊織、あの子…」
「あぁ、俺も心配してたんだ。いつも一人で本読んでたり。友達、居ないぜ?
いつかいじめでも始まるんじゃないかって」
「ま、あなたがお姫様だっこでここまで運んでしまったことで月辺さんは女子からの相当な恨みを買ってると思うけどね?」
「…そっか…忘れてた…」
「それに私からの恨みも買ってること、忘れないで頂戴」
「……はい」
‘お姫様だっこ’で伊織が保健室まで運んだことを紫は知らない。
これがのちに大事になることにまだ紫は気づいていなかった。
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