暴走族の秘密の姫君
私が家に帰り、部屋で調べ物をしていると部屋の中にノックもせずにお兄ちゃんが部屋の中に入ってきた。
「お兄ちゃん、どうしたの?」
「いや…紫がパソコン開いてるなんていつ振りかと思って」
感心するように私にいうお兄ちゃん。
「中3の時以来なんじゃない?ねぇ、紫姉ちゃん」
私の代わりに質問に答えたのは私の2つ下の妹月辺藍華(Tsukibe Ranka)。
「うん、ちょっと気になることがあってね。
…もう、中3の時のことはなかったことにしたから大丈夫。」
私が笑顔でそういうと、藍華と朋文お兄ちゃんはほっとしたように目を見合わせる。
「でも…紫、そろそろ友達でも作ったらどうだ?」
お兄ちゃんは私を心配するように話す。
「あはは…それもいいかもね。でもさ、お父さんとお母さんが心変りしてくれるまで…私は友達なんて作らないよ?」
お兄ちゃんに強い決意を持ってそう話す。
…そう、あれは中3の春。1年前のことだった。