暴走族の秘密の姫君
残されたのは私と護衛のお姉さんだけ。
「紫さんお久しぶりです。零さんに頼まれて護衛になりました日向撫子(Hyuga Nadeshiko)です。15歳で紫さんと同い年です」
そう言って撫子さんは恭々しく頭を下げた。
この人は…この間私がなぜみんな敬語なのかを聞いた人だ………!
撫子さんっていうんだ…。
それに同い年って……。
長めの黒髪とおっとりした感じの雰囲気。
大人っぽすぎて同い年に思えない。
でも…この人は戦いの時になったら豹変しそうだな…。
まぁイメージだけど。
「あと、同い年なので私のことは撫子で構いません」
…撫子。私がそう呼ぶなら。
「撫子も私のことは紫って呼んで。敬語も無し」
「しかし………」
私のその言葉に困惑の色を見せる撫子。
「私が良いって言ってるんだから良いの!…撫子、私と友達になろう?」
撫子は少し考えてから、はい、と返事をしてくれた。