暴走族の秘密の姫君
しかし、話している内にどっちかというと零のグループの方が劣勢になっていた。
「…総長は何をしてるんでしょう…。来ないですね…。今日は幹部も8人中6人しか集まっていないの」
私を護衛しながらそう語った撫子。
幹部の数が少ないって結構マズいんじゃないのか。
「その残り2人の幹部の方は…?」
「1人はハッキングの情報部なので戦いには参加しないの。
……あと1人は季節外れのインフルエンザ。バカよね……」
………インフルエンザ?!
「……5月に?」
そう聞くと撫子は呆れたように口を開いた。
「…幹部って言っても私の弟なの。バカは風邪ひかないって嘘なのかな。それともインフルエンザは別なのか…」
最後の方はブツブツと独り言のように喋った撫子。