暴走族の秘密の姫君
突然の…
「夏樹は気にしないでいいよ?あいつ、幹部のくせに馬鹿だから。姉の撫子より強いし…まぁ撫子はハッキングのプロだから戦いはしないけど」
…撫子が言ってたハッキングの幹部って撫子自身のことだったの?!
だから撫子は私の護衛に回ってくれていたんだ。
「でも撫子も強いんだよ!なんたってあたしの右腕だから!」
そう朗らかに笑うのが見えた。
…相当撫子のことを信頼してるんだろうな…。
こんな話をしているうちにマンションについていた。
そしてバイクを降りると、零が気まずそうに口を開いた。
「紫、あたしさ…ずっと言わなきゃと思ってたの。
……あたし、実家に帰る。ここからいなくなる…」
…零が、ここからいなくなる?