暴走族の秘密の姫君
突然のことに頭がついていかない。
「もう今日にはいかなくちゃいけないの」
零はそう言ってエレベーターのほうに向かって行った。
「零、待って!待ってよ!!
…じゃあ、残された私はどうすればいいの?!」
零っていう友達が出来て…やっと私の心が満たされてきた。
零の存在は私の中で掛け替えのないものなんだよ…。
「…紫、紫はこのままここに住むでしょ?藍華は今まで通りここに来るらしいから」
藍華が来るのは分かってる。けど、それじゃあ…!!
「もう…もう零には会えないの?」
私がそう聞くと零はフッと笑みをこぼした。
「あたし?あたしとは会えるよ…。約束したでしょ?…次は倉庫でね」