美男と珍獣
いきなり、共学とか言われても困るし
しかも、クイーン候補とか
もう お父様も波風もあたしには
全然教えてくれてないし (泣)
『――――乃城様! 雪乃城様!』
会場の隅で呆然としていると
隣には泉くんはいなくて
誰かが、名前を呼んでいる。
『はい?ここですけど?』
声のするステージに駆け寄ると
司会者のような人が現れて
ステージ上に無理矢理あげられた。
横を見れば 美男美女 揃い。
この前家で開かれたパーティーで
見たことのある顔ばかりだった。
もちろん、泉も 並んでるわけで
堂々と立っている。
しばらく、キョロキョロしていると
さっきの司会者がマイク片手に再び現れた。
『さぁ、雪乃城様が揃いましたので
投票結果を発表させていただきます。』
えぇえぇ!?!!いきなり!?
って、隣のクイーン候補者の先輩
誰かに祈ってるし …。
不安そうに泉くんをみつめると…
"大丈夫"と口パクで言ってきた。
いや、なにが大丈夫なの!??
パニック状態のあたしをよそに
小さな封筒を取りだし開けて
司会者はゆっくり口を開く。
『まずは、キングから発表します。
キングに選ばれたのは
1年生の 美創 泉様です!!!』
『キャアァアァアァア 泉様ぁぁ!』
『さすが、泉様だぁあ。』
会場の生徒が一気に沸き上がる。