24時間プロデュース【完】
男の目的が分からない限り下手に反論して神経を削がせるのはまずいと思ったし
拒否してサクッと包丁でも刺されてしまったら
それこそ笑えない。
取り敢えず、いつでも逃げられる体制だけは取っておく事…!
色々な案を働かせつつ、息を切らせて走ったその先、男は漸く走るのを止めて立ち止まった。
はぁ、はぁ、とお互いの荒い息の音が重なり、
肩を上下させながら呼吸を繰り返す男の背中が目に入る。
続いて辺りを見回すと、其処はもう駅の隅で
あたしと男しか居なかった。
まずい。
頭の中の危険信号が点滅している。