24時間プロデュース【完】
変わり身の早さに呆れてしまう。
けど、黙ってその手を受け取るあたしも
また変わり身が早いんだろうな。
「何処行くの?」
「まず、この薬を貸して貰ったおじさんに返して。
それから電車に乗って、ある程度の場所まで戻るつもり」
「そっか」
昨夜と同じ様に前後に揺られる手。
朝の瑞瑞しい空気と溶け合って気持ち良い。
気温は中々の温度で暑い筈なのに
不思議と繋いだ手は、ベタベタなんてしなかった。
架に連れられて、農作業をしている
おじさんの元まで辿り着く。