24時間プロデュース【完】
「「有り難う御座います」」
薬を返して、架と二人、おじさんに向かってお辞儀をすると。
『いやいや気にせんと。
そげよりおまいさん等、どっか遠けん場所から来たと?』
不思議そうな目でまじまじと見られてしまった。
「ど、どうして分かるんですか!?」
その言葉に驚いて聞き返すと、それが逆に面白かったのか
おじさんは“わはは”と豪快に笑った。
『此処いらはもう皆昔からの顔馴染みけん、知らん人はおらんや。
見掛けん顔はすぐ分かっちゃる』
…らしい。
「そ、そうなんですか」
おじさんの笑い顔を前に、架と目を見合わせて
ただただ驚くばかりだった。