24時間プロデュース【完】
浸蝕スカーレット
それから二人、駅まで戻り電車に乗った。
駅には、駅員さんが一人とあたし達二人しかいなかった。
“流石田舎”と思ったけれど口には出さなかった。
乗った電車も当然の如くあたしと架の二人だけで
“貸し切りだね”
顔を見合わせて笑った。
広い車内なのに、結局隣に座る。
暫くすると扉が閉まり、電車はゆっくりと駅を出発した。
タタン、タタン、
一定のリズムを刻んで電車が小さな駅をひっそりと後にして行く。
昨日と違うのは、
「結構良い所だったよな」
「…うん」
自称“誘拐犯”の架と普通に話せている事だった。