24時間プロデュース【完】
「こんなに空いてるの、いつもなら有り得無いよね」
「終電でも結構乗ってたりするのにな」
そんな会話をするも、幾つか駅を通り過ぎて行く内に段々と見慣れた車内の光景になっていった。
窓から見える景色も、徐々に高層ビルやマンションに変わり出した。
目の前には休日出勤なのかスーツを着たサラリーマンやOLが並び
部活なのか制服を着た学生がスポーツバッグを傍らに
眠そうに欠伸をしながら席に座る。
「混んできたね」
「だな」
「何処で降りるの?」
「んー…次の駅で降りるか」
混み合ってきた車内を見回して架はのんびりとそう言った。