24時間プロデュース【完】
まるで今まで手を掴んでいたのが何でも無かったみたいに。
解放された腕を胸の前に引き下げると
腕がじんわりと柔らかな痛みを伴っている事に気付く。
それは走っている間、ずっと掴まれていたからに違い無かった。
やっぱり、腕を掴まれていたのは間違い無いんだ。
変な事実を確認した後、深い息を吐き
今一度、男の背中を見つめる。
と、そこで男は漸く此方を振り返った。
「っ」
男と真正面から向き合う。