24時間プロデュース【完】
「…解るつもりだよ、俺」
返ってきたのは意外にも同意を示す一言だった。
「…え?」
てっきり詰られるとばかり思っていたあたしは
間抜けにもぽかんと口を開ける。
但し、まだ眉根は寄せ合わせたままだ。
それは自分と架の考えの差異、困惑の意を表していた。
「俺はいちるじゃ無いから、いちるの考えの全てが理解出来るとは言わないけどね」
「……。」
「ただ“保障”も無いのに迂闊な事は出来無いし
踏み出す足を渋る気持ちは解るかな、って」
「…架もそれで足踏みしてるの?」
「“何”とは言わないけどね」
すっかり毒の抜けた表情に戻ったあたしに
架は目を細めて微笑んだ。