24時間プロデュース【完】
本当に、この人は…
誘拐紛いな事をしてまで一日自分の自由に付き合わせたかった奴が
行きたい場所決めて無いってどうなのよ!?
ああ、もうしょうがないなあ。
「んじゃ、架!
あの店入るよっ!」
あたしは適当な店を指差すと架の手を引っ張って其処に向かってずんずんと歩みを進めた。
「…良いけど」
“良いけど”って!
出たなヘタレ部分!
がくっと心の中で頭を垂れて
店の前のディスプレイを見遣った。
ディスプレイには綺麗な淡い色のワンピースを着ているマネキンが飾られている。
ちょっと気になる店なんだよね。
好みの服が期待出来そうな予感。
るん、とスキップしそうな勢いで店の中へと足を踏み入れた。