24時間プロデュース【完】
それに“そんな事”でも考えておかないと架の吐く甘言にいちいち赤くなってしまう自分が嫌だった。
何、乙女ちっくになってんのよあたし…。
「…はぁ」
混濁とした息を吐いた時、
「はい!いちる、これ」
「え?」
不意に架の手から洋服が数枚あたしの腕に掛けられた。
「この服…?」
「そ、今渡したやつ着てみてよ」
架はあたしの腕に掛けた服を差してから
「あのー、試着室お借りして良いですかー」
早くも近くにいた店員を呼び止める。
「ちょっと、何勝手に…」
「俺の選んだ服着れないっての?」
「いや、そう言う事は言って無くて…」
「じゃ、良いじゃん」