24時間プロデュース【完】
楽しげに強制の言葉を畳み掛けると
架はそれでも渋るあたしの背中をぐいぐいと押した。
「さ、着替えて着替えて」
「ちょっ、と…」
強引に試着室の前まで連れて行かれると
其処には先程の店員さんが笑顔で試着室の扉を開けて待っていた。
「あのっ…」
『御ゆっくりどうぞー』
…!
どいつもこいつも人の話を聞けーっ!
笑顔で下がる店員に不機嫌になりながら
あたしは靴を脱いで試着室の中に足を踏み入れる。
ふと腕に掛けられた服に目を向けると、
二、四、六着。
六着もの服があった。
一体いつの間にこんなに沢山選んだのだろうか。