24時間プロデュース【完】
混沌な夢語を探して
『『有り難う御座いましたー!』』
入って来た時と同様に店員の挨拶と
店の扉のベルが後ろでチリンチリンと響く。
それに振り返って会釈をする余裕も無いまま
あたしは颯爽と店を出た架の後を小走りで追い掛けていた。
「架!」
「ねぇ、架ってば!」
「んー? 何だよ」
「駄目だって、これ!
このワンピース!」
「何、別のが良かった?」
「違くて…」
あたしが慌てて架の背中を追い掛ける理由。
それは架があのワンピースを購入してくれちゃったからだ。
色んなワンピースを着る事が出来て
おまけに従来の目的も達成出来た訳だし
もう元着ていた服に着替えても良いかな、と思い試着室へと戻ろうとした時だった。