24時間プロデュース【完】
「そっか、そうだよな」
「うん!いつか出来るよ!」
「いつか、な!」
二人で顔を見合わせて笑った。
いつかを信じた。
今すぐに実現する夢じゃ無くても…
きっと、いつか叶う日が来るって。
こんなんだからあたしは温いって言われるのかも知れない。
ただ、架はこの時どんな気持ちで笑っていたのかな。
考えるだけで心が壊れそうになる。
この時本当にバカな事を言ったのだと
後に自分を呪ってやりたくなるとも知らず、あたしは笑っていた。
架も笑っていた。
だから深く考え無かったし気付か無かった。
架は“役者”だって事、
あたしは分かっていたつもりで
すっかり忘れていたのだ――。